シマノレーシングキャプテン入部正太朗選手がペダリングアナリシスに挑戦
先日行われた、ツールド沖縄国際チャンピオンクラスで見事2位に入賞したシマノレーシング入部正太朗選手が、シマノペダリングアナリシスを使ってのフィッティングのためにベックオンに来店してくれました。
2015年シーズンはジャパンプロツアーみやだクリテリウムで優勝。昨シーズンから惜しいところが続いていただけに、この優勝は格別なものでした。
そんな彼もポジションに悩んでいるらしく、一度チェックして欲しいとの依頼を受けての今回のフィッティングとなりました。
入部選手のペダリング計測では、踏み込み中心の高パワーペダリングとなっていました。プロにしてはお世辞にも綺麗なペダリングとは言えませんが、改良点が多いだけに伸びしろもたくさんあるともいえます。
踏み込み中心のペダリングということは、筋肉もまだまだ使いきれていない部分があるということです。おそらく全体の6割程度しかうまく身体が使えていないのではと推測されます。潜在能力を引き出すことができれば更なる飛躍が期待できます。
ということで、使えていない筋肉を活性させるポジションを出しを行いました。ロードバイクの基本的な乗り方にほんの少し手を加え、入部選手の体格や脚質を考慮したポジションへ。(もちろん入部選手の悩みもききながらアレンジしています)
今回のフィッティングで出したこのポジションで身体の使い方を意識してもらい、ここから煮詰めていく感じになりました。
来年は、新しいポジションで更なる活躍が期待できそうです!
ところでポジションの相談はBECK ONでもかなり多いです。中でもお尻の痛みの相談は毎日必ず聞かれるほどです。
ここで難しいのは、「ポジションには答えがない」というのが答えということなのです。これはどう言う事か例をあげますと、とある日本のトップ中のトップ選手から聞いた面白いがあります。
トップ選手いわく
「僕らのポジションはレースで150~200km以上を平均速度40km以上で走るためのポジションになっています。ファンの方とのサイクリングイベントでは平均速度20kmで100km走ったりするとお尻が痛くてたまらないです」
この選手の言葉にポジションの答えが詰っているといえます。
ポジションとはサドル、ハンドル、ペダル、クリートの位置に加え普段常用する速度域とギア比というものを含めて考えなければいけません。たとえばサドル、ハンドル、ペダルの位置が、ゆっくり走る一時間程度のポタリング時には適正でも、そのままのポジションでレースに出られるかというとまた話が違ってきます。こういった走り方の場合一般的に、サドル低めハンドル高めのポジションにされる方が多いと思いますが、レースにでて上位を目指すような方がこのポジションだと、サドルが低すぎてギアが踏めない、ハンドルが高すぎて力が入らない事になるでしょう。
レースには出ませんがロングライドが中心です、と言う方でも、もしかするととんでもないスピードでロングをこなす方かもしれませんし、ポタリング並みで走る方かもしれません。このような二つ例でも、ただロングライドという理由だからでこのポジションと一括りにできるはずがありません。
レースで活躍したいという方もそうです。その人がどんなレースに出て何処を目指すのかによっても、当然ポジションが変わってきます。
このように同じ人でも目的によって大きくポジションが変わってきます。
上記の理由で単純にレースに出るから、ロングライドを走るからという理由ではポジションは出せません。
ポジションを出すときは先ずは基本ポジションで乗り、信用できる人(これ大事です)に長期にわたり、何回も見てもらうというのが近道になるでしょう。
話はそれましたが入部選手といえば、本人のブログ(Shotaro Iribe 『毎日がevery day!!』)をご覧になったことのある方はご存知でしょうが、非常にユニーク。
ブログではホストになったり人間止めたりしています(笑)。人懐っこい性格なので話しかけると気さくに話してくれます。レース会場で見かけたらぜひ応援してあげて下さい。本人は大喜び間違いないですから!