Campagnoloカンパニョーロ、12sコンポーネント導入しませんか?
三大コンポーネントメーカーの一角、カンパニョーロが遂に12速ロードコンポーネントを発表、ということで今年の4月に大きな話題となったロード用12SPEEDコンポーネント。
トップモデルのSUPER RECORD(スーパーレコード)とセカンドグレードのRECORD(レコード)がフルモデルチェンジでロードバイクとしては初めて12速となりました。
この新しいコンポーネントの勉強会「カンパニョーロ 2019プロダクツセミナー」へベックオンメカニックスタッフの亀井が行ってきました。
今回発表されたのは機械式コンポーネントのみ。同時に各シリーズ初となるディスクブレーキモデルも追加されましたがセミナーではリムブレーキシステムのみの説明となりました。
12スピードのSUPER RECORD(以下、SR)とRECORD(以下、RE)をメカニックの視点から気になったところをピックアップしてみます。
エルゴパワー(レバー)
11Sレバー比3㎜外側にオフセットさせて、ブレーキング時、シフト共に少ないレバーアクションを可能にしています。新たにレバー解放のピンの位置を三段可変式にし、スモール・ハンドルポジションでレバーリーチを近づける機能が追加。
新設計のシフトワイヤー(テフロンコート)を使用することで、11Sレバー比トラベル量はリアシフトレバー(右)で3.5㎜減、0.6kg/fのトルク減となっています。
重量はSRで339g、REで363g。
リアディレイラー
ミディアムケージのみの設計。シマノRD同様、Bテンションスプリングを排したシングルテンション構造。ダイレクトマウントハンガーに対応。
ローギアとフリー側スポークとのクリアランスを1㎜遠ざけることで、RDハンガーを曲げた時のトラブルを極力避ける設計になっています。
プーリーは上下共にブッシュ式で、各々最適化された刃先形状に。
重量はSRで181g、REで216g。
フロントディレイラー
11Sでは3アクションシフトでしたが、12Sは5アクションシフトに。(シマノとほぼ同じトリム)
ワイドリム&タイヤへの干渉を回避するため固定ネジを前向き、後ろ向きに変更が可能。アッパーリンク側にスプリングが新たに設けられ、より素早い変速が可能となりました。
重量はSRで79g、REで81g。
ウルトラトルク・クランクセット
チェーンライン44.5㎜。Qファクターは145.5㎜。PCD112㎜&145㎜。
11Sはリムブレーキ・ディスクブレーキそれぞれチェーンラインの違うクランクが必要でしたが、12Sではどちらでも同じクランクで使用可能です。
また、165㎜クランクが追加されました。小柄な体格の方にとっては非常に嬉しいですね。
SRはチタンシャフトでCULTベアリング仕様。REはスチールシャフトでUSBベアリング仕様になります。
BBは従来のものを使用します。新たにBB30A(キャノンデールのフレーム規格)が追加されます。
重量はSRで618g、REで710g。
スプロケット
SR、RE共用で11-29T、11-32Tの2つの構成のみ。すべてクロモリ製となっています。
ローギア変速時のチェーン落ちを防ぐローギアの裏側にチェーン・サックを設けてあります。
ギア歯の厚みは1.6㎜から1.45㎜へ。スペーサーは2.2㎜&2.3㎜から2.05㎜へ。
重量は11-29で266g。
チェーン
幅5.15㎜。11Sチェーンより0.25㎜薄い。重量は220g。アウタープレートの厚みは変更なし。
114リンクあるチェーンを、チェーンステーの長さでチェーン長を決めます。
405㎜~415㎜は110リンク。415㎜以上は112リンクとなります。
ブレーキ
30Cタイヤ装着可能の新設計アーチを採用。前後共デュアルピボット。SRのみピボットがベアリング式です。
重量は前後でSRで298g、REで317g。
SHAMAL ULTRA ディスクブレーキ仕様(New)
C19で28mm以上のタイヤに対応します。こちらは2way-FITモデルのみの展開です。
今回の12Sコンポーネント、システム総重量SRで2,041g、REで2,213g。
使ってみたいと思う方は多いのではないでしょうか?
トピックとしてはREセットが27万円と前のセットに比べてもリーズナブルになったこと、165㎜クランクが復活したこと。
個人的には厚みが削られたチェーンの耐久性がどんなものなのだろうと気になるところですが、私自身もロード史上初の12S試してみたいと思いました。